問題とは何か
はじめての投稿になります、ものレボCPOの川田敏巳と申します!
どんなことを書こうかと考えていたのですが、結局のところ好きなこと書こうかなというところに落ち着きまして。
では何が好きかというと、結局「仕事」なんですよねw
というわけで、今日は自分がビジネスマンとして仕事をするにあたって拠り所にさせて頂いている一倉定(いちくら さだむ)先生の教えの中で好きなものを一つお話できればと思っています。
まず、一倉定先生とはどなたか、と思ってらっしゃる方もいるかと思いますので、少し紹介を。
一倉定先生は言わば日本の経営コンサルタントのパイオニアです。一倉先生が活躍していた時代には経営コンサルタントという職種自体がなかった、もしくは少なくとも一般的ではなかったので実際のところは後に経営コンサルタントということになるというのがより正しいです。
一倉先生は5000社を超える企業を指導しましたが、その対象がいつも「潰れそうな会社の立て直し」だったことが特徴です。一倉先生自身がサラリーマン時代に何度も自分の務める会社が倒産し、それが原体験となって「商品が良くても会社は潰れる。会社が潰れるには何か共通した特徴と訳があるはずだ。」という考えと、その研究に行き着いたそうです。
一倉先生は立て直しを担当した企業の役員であろうが社長であろうが、烈火の如く怒鳴りつけて指導したと聞いています。
そんな一倉先生の書籍は読めば読むほど、私自身を叱り付けてくれている感覚になります。この年齢になるとなかなか叱ってくれる人もいませんからね。いつも身の引き締まる思いで拝読しています。
で、今日紹介したいのは「問題とは何か」という一倉先生の教えです。
これは私にとっては結構衝撃でした。わかってみれば当たり前のことなんですが、それまで自分では言語化できなかったことの一つだったので、わかった後はかなりスッキリしました。
さて、「問題」とは一般的には以下のように言われているのではないでしょうか。
問題とは、解決しなければならない事がらである。
うん、確かにそうですよね。「解決しなければならない!」というものが現れて(もしくは発生すると予測できる段階まで来て)はじめて問題というのは認識される訳なので。
私もずっとこれ以上の言語化はしていなかったんです。
ただ、これだと、
「ん? それを解決しなければならないのは何故?」
ってなって、
「だって、〇〇であるべきだからだよ!」
ってなって、
「え? 〇〇であるべきなのは何故?」
ってなって、
「そりゃ、〇〇でなきゃ▲▲になるからでしょ!」
ってなって、
「▲▲だと何故まずいの?」
ってなって、
「▲▲だと、◆◆だから問題でしょ!」
ってなって、
「問題」という言葉にいつか戻ってくるので無限ループです。
こうなると「問題」というものがそもそも何なのか誰も分っていない状態になるので解決できない訳ですよね。
理解でき見えるものは解決できるが、理解できず見えないものは解決できない
目に見えない敵に勝てる訳ないですしね。
というわけで、一倉先生の解答です。
問題とは、計画(標準)と現状との差である。
いや〜スーパースッキリ!
誰もが問題を解決したい。
でも、(繰り返しいいますが)目に見えないものは解決できない。
そんな中、「計画(標準)」という言葉を使っただけでこんなに短く端的に言語化できました。
ほんとこれなんですよね。
計画(標準)がないところに問題は存在しない
と言い換えてもいいわけです。
計画と標準化がどれだけ大切なものか身に染みます。
ところで、我々ものレボが向き合っているものが、まさに「標準化」なんです。この「標準化」は
「標準や計画との差 = 問題」 を目に見える状態にすることで敵と戦える状態を作る
わけですね。
一倉先生のこの教えは、我々の仕事を肯定してくれているようで嬉しい気持ちになります。
さあ、こうなると「じゃあ『計画(標準)』がつまり何なのかを言語化するとどうなるん?」という疑問もわいてきますが、それはまた別の機会に。