パワーはどう測る??
どうも雪下です。
前回は筋トレの記事を書きました。題名からこの続きを書くと思われたかもしれませんが、書きません。今回は3月のWBC日本代表優勝の熱が冷まやらず、
僕の土日のほとんどを費やしてしまっている野球について書きたいと思います。昨今選手の能力を測る指標が非常に増えたと感じたので、個人的に興味が湧き調べてみましたので、こちらを書きたいと思います。(もちろんパワーを測る指標もあるはずです(笑))
指標一覧
私が高校生ぐらいまでは、以下の指標が選手を評価するためによく使われていたと記憶しています。
打者
- 打率(安打数÷打数)※打数には、犠打、犠牲フライ、四球、死球は含まれない。
- 打席に立ったら、どれくらいの割合で安打を打ってくれる?
- 出塁率(安打数+四死球÷打数)
- 打席に立ったら、どれくらいの割合で出塁してくれる?
- 本塁打数(ホームラン数)
- 打点
- 盗塁数
- 長打率(塁打数÷打数)
- 打席に立ったら、どれくらい塁打を稼いでくれる?
投手
- 防御率(自責点×9÷投球回数)
- 投げたらどれくらい点を取られるか
- 奪三振数
- 与四球・死球
様々な指標がありますが、野球のルールは、決められたイニング内で相手よりも得点が多いチームが勝利となりますので、各指標はどれだけ得点を取る/取られないことに貢献したかを測るものになります。
特に打率はわかりやすいので、子供の頃は「今日は3打数1安打やから、3割バッターや!」とか、「今日ヒット0やん、通算打率下がるやん」と一喜一憂してました。
本塁打を打った日には、焼肉を食べに行くご褒美を待ち望んでいました(笑)
一方で現在どのような指標が使われているかでいうと、
打者
- OPS (On-base Plus Slugging) ※出塁率+長打率
- 選手の得点への貢献度を測る
- IsoP (Isolated Power) ※長打率ー打率
- 単純なるパワーを測る!!
- IsoD(Isolated Discipline)※出塁率ー打率
- 安打を除いた出塁率を測る。(四球、死球をとるために必要な選球眼を測る。)
- ボールゾーンスイング率 ※ボールゾーンスイング率÷ボールゾーン投球数
- ストライクゾーンスイング率 ※ストライクゾーンスイング率÷ストライクゾーン投球数
- BB/K ※四球÷三振
- K% ※三振÷打席数
投手
- WHIP ※与四球+被安打÷イニング
- QS ※先発投手が6回以上を投げるかつ、自責点3点以下に抑えた回数
- 奪三振率(k/9)※奪三振数×9÷投球回
- 与四球率(BB/9) ※与四球×9÷投球回
- K/BB ※奪三振数÷与四死球
- 被本塁打率(HR/9)※被本塁打×9÷投球回
【保存版】セイバーメトリクス指標一覧【基本から分かりやすく解説】
一気に横文字が増えました(笑)このような指標が増えた背景として、アメリカ人のビル・ジェームスが”セイバーメトリクス”という概念を提唱し、
選手をより多角的に評価するために現在まで分析を進めてきたことがあります。例えば、打率のもとになる安打数は、単打もホームランも同じ”1”として扱います。つまり、仮にチームに単打をよく打つ選手とホームランバッターがいる場合、どちらの選手がチームの得点への貢献度が高いかがわかりませんでした。長打率、打点や本塁打数がそれを補う指標ですが、それぞれ異なる指標のため、両者を同じ土俵で比較することができませんでした。
- Aさん 打率.300 出塁率.400 長打率.250 本塁打数0本
- Bさん 打率.250 出塁率.300 長打率.500 本塁打数10本
”Aさんよくヒット打って出塁してくれるけど、Bさんの長打力も捨てがたい。どちらを起用しようか。。。。”
このような時にOPSの指標であれば、両者を同じ土俵において得点への貢献度を測ることができます。
- Aさん 打率.300 出塁率.400 長打率.250 本塁打数0本 OPS.650
- Bさん 打率.250 出塁率.300 長打率.500 本塁打数10本 OPS.800
”Bさんの方が得点力への貢献度が高い。Bさんを起用しよう!”
もちろん他の視点もありますが、一つの比較するための指標として非常に役立ちます。このように色々な指標が開発されたことにより選手をより公平に比較、評価することができるようになったと思います。そして、野球ファンはお酒のアテが増えたと喜んでいます。
また昔より多角的な視点で選手を評価しようという流れは素晴らしいと思いますが、今の少年野球の子供たちは単純にヒットやホームランを打つだけでは、焼肉を食べに行けない現実に直面しているかもしれません。
参考までに二刀流大谷選手の2023/5/31現在の成績でいうと、OPSは.845(MLB全体17位)、投手成績の奪三振率は12.46でMLB1位、WHIPは0.95でMLB2位です。
OPSは、.800以上で一流、.900で超一流、.1.000以上で超人・怪物(リーグで1,2を争う選手)が目安になっていますので、投手としてトップレベルにいながらも打者としても高いレベルであることがわかります。
他にも様々な指標がありますので、気になる方は是非”セイバーメトリクス”で検索をしていただければと思います。
指標から生まれた理論
最後に指標の分析から、多くの理論が生まれています。
- 2番打者にチームの最強打者を置く。
- 優れた打者を固めて打順を構成する。
- 総合評価指標 WAR (選手の総合力を測る)
めちゃくちゃ専門的な話ですが、非常におもしろいので興味がある方は以下を参照ください!